夏の夜空を華麗に演出する打ち上げ花火。
日本ではまつりごとやイベントなどには欠かせないものですね。
通常打ち上げ花火には大きく分けて、菊のように球形に開く割物(わりもの)と、花火玉が上空で二つに開き、中から星などが放出するポカ物(ぽかもの)の2種類があります。
中でも大きく菊花を咲かせる日本の割物花火は、世界で最も精巧な花火といわれております。
ここではその花火玉の中がどのようになっているか、仕組みについて断面図とともにご紹介します。
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夏の夜空に広がる丸い打ち上げ花火の種類と違いと構造
どこから見ても丸くきれいに開く花火。
花火には星(ほし)と割薬(わりやく)の2種類の火薬が使われています。
星は空中で光る火薬、割薬は星を勢いよく飛ばすための火薬になります。
花火の玉は球形で、同心円状に星と割薬が配置されています。
空中に打ち上げられる時に導火線に火がつき、空中で星と割薬に引火します。
星は、光りながら、割薬の爆発で勢いをつけられて放物線状の軌跡を描きながら飛び出します。
このときに光の残像として見える星の軌跡を楽しんでいるわけです。
花火玉が大きいほど火薬をたくさん使った、大きな花火になります。
そして花火玉は大きさにともなって打ち上げる高度や開き具合も変わってくるんですね。
小さいものは三号玉、多きものですと世界一と言われている直径120センチの4尺玉です。
大きいものになると開く直径はなんと300メートル以上、東京ドームと同じ広さほどの大きさになるんです。
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打ち上げ花火の色の種類
花火は、色とりどりのきれいな光ですが、江戸時代に流行していた花火は暗赤色和火(わび)の単色のものでした。
これは当時の火薬の主成分だった、硝石と硫黄と木炭が燃えたときに出る色です。
明治初期に海外から発色剤が輸入され、色がついた花火は洋火と呼ばれてもてはやされました。
花火の光の色は、金属の炎色反応によるものです。
星の火薬に発色剤を混ぜ込んで、色を出すのです。
炎色反応は下記の写真になります。
写真の花火は色が変色する花火です。
色が変わる花火を作るには、星の構造に工夫が必要です。
まず小さな火薬の玉を作り、乾かしたあと、別の色の火薬で球状にその火薬の星を包みます。
この作業を繰り返すと、色の異なる火薬が何層か重なった星ができます。
このような星を「掛け星」といいます。
火がつくと、掛け星の火薬は外側から燃えていき、時間が経過するにつれて内側の火薬の色に変化するので上記の写真の花火は紅から緑に変色します。
花火に色を付ける主な発色剤
①ストロンチウム → 赤
②バリウム → 緑
③銅 → 青
④ナトリウム → 黄
⑤銅+ストロンチウム → 紫
⑥アルミニウム → 銀
⑧チタン合金 → 錦(金)
一例として、以下の炎色反応があります。
①紅色は、炭酸ストロンチウム
適切な条件下では、美しい紅色炎を示すが、不活性な炭酸イオンが燃焼を抑制するため、使用できる量が制限される。
②緑色は、硝酸バリウム 硝酸バリウム
色火剤であると同時に酸化剤でもあり、良好な深緑色炎を得ることができる。分解温度が高く、かつ吸熱分解であるため、取り扱いは比較的安全に行うことができる。
③青色は、酸化銅
酸化銅によるある色炎をては、炎の先端に紅色領域における一連の帯スペクトルに基づく紅味がかった発光が見られるこたがあるのが特徴である。
参考書から引用したので難しい説明になってしまいました。
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まとめ
花火の打ち上げは機械で制御できるようになりましたが、花火玉の製造は今でも手作業です。
より大きく美しい花火で観客を楽しませようという花火職人の心意気を感じながら、今年の夏の花火を最高に楽しんでください。