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花火の原理ってどうなっているの?|色や光など花火師が解説

花火の原理ってどうなっているの?|色や光など花火師が解説

夜空に打ち上がり花開く花火。

大輪を咲かせる尺玉、連続で打ち上げられる大迫力のスターマイン、目を楽しませてくれる仕掛け花火などがありますが、花火がどうやって打ち上げられて花開かせているのか知らない人も多いと多いとます。

そこで今回は、

  • どうやって打ち上げられているのか
  • 花火の色はどうやって漬けているのか
  • 花火の色づく仕組み

などについてお話していきたいと思います。
以下の記事も合わせて読んでもらえましたら、さらに花火の仕組みについて知ることが出来ると思いますよ。

5分でわかる打ち上げ花火の種類と仕組!構造はどうなってるの?

打ち上げ花火の種類と仕組み、その構造について書いてみました。

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花火の始まりはいつ?

花火の始まりはいつ?

花火の始まりは、いつなのかということはよくわかっていません。

中国で7世紀頃に黒色火薬が発明されたわけですが、それが武器として使われるようになり、中世の頃ヨーロッパへ伝わる過程で生まれたと考えられています。

日本式の花火は、江戸幕府が始まってすぐの慶長18年(1612年)に徳川家康が鑑賞をしたという記述があります。

すでに種子島に火縄銃が伝来していますが、その当時の観賞用の花火は中国式花火で打ち上げ花火ではなく、噴出式で筒から火花が吹き出すものでした。
その後、海外から輸入してくる以外に自国でも作られるようになり、現在のような花火へと進化していくのです。

やがて江戸の名物となっていきます。
あまりにも花火の人気が高く、火事が多発する原因にもなっていたので幕府から花火が禁止されることもあったほどです。

 

花火の仕組みの基本は3種類の火薬

花火の仕組みの基本は3種類の火薬

花火を打ち上げるのに必要なのは、3種類の火薬です。

打ち上げ火薬

打上火薬は花火玉を空中に打ち出すためものです。
打上筒の底に打上火薬を敷き、花火玉を導火線が下になるように設置することで、打上火薬が爆発した時に花火玉の導火線にも点火されるようになります。

割薬

打上火薬によって飛び上がった花火玉は、導火線から割薬に火が到達すると破裂し、花火玉が開くと同時に花火玉に詰められたと呼ばれる火薬の塊を四方八方に弾き飛ばします。

は火薬の塊で外側に火が付きやすい層があり、中に青や赤などに燃える火薬が詰められています。
割薬が破裂して、飛び散ったに火がつくと鮮やかな色が出てやがては燃え尽きます。
の飛ぶ方向や色の変化によって、花火は「花」や「星」、「滝」などいろいろな形を作り出すことが出来るのです。

この星を思い通りに飛ばすことこそが職人の腕の見せ所なのです。

 

花火が打ち上がる推進力は?

花火が打ち上がる推進力は?

花火玉は高く打ち上がりますが、その花火玉自体には上に上がる力はありません。

ではどのような力が働いて打ち上がるのかというと、打上筒に打上火薬と花火玉を入れて打上火薬を爆発させることで、その爆風が一番抵抗の少ない筒の上方向に進むので、花火玉を上空に飛ばすことが出来るのです。
その時の勢いはどのくらいなのかというと、音速と同じ時速350キロメートル前後と言われています。

大きな尺玉ともなれば、百数十メートルも打ち上げることが出来るだけの威力を持つ爆発なのに、花火玉はなぜ筒の中で爆発してしまわないのか不思議に思いませんか?
なぜ花火玉が一緒に爆発することがないのかというと、花火玉の外側は玉皮といって丈夫な和紙や新聞紙、ボール紙を何層にも重ねてつくられており、外側の爆発には耐えるけれども、中の火薬の爆発には四散するような構造になっているからなのです。

 

花火が空中で花開く仕組みは?

 

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打ち上げの際にはそれぞれの花火玉に合ったサイズのが準備され、花火玉を入れてからの底の打上火薬に点火して打ち上げ、空中に上がってから導火線に火が付いて割薬に到達・炸裂し、炎色剤が配合されているが燃焼しながら丸く広がって行きます。

花火は星の燃焼

は燃えていく過程で、予め調合した火薬を層にして重ねることで、火薬に合わせて赤や青などの色に変化をつけることが出来るようになります。
その火薬の燃える過程が軌跡となって、いろいろな形を楽しませてくれます。

大輪の花の中に小さな花が次々に開いて行くようなタイプは、花火玉の中に仕込まれたが二重に配置されている構造になっており、まず外側にあるが大きく開いてから内側にあるが小さく開いて行くことで変化に富んだ花火となります。

花開くタイミングは導火線

導火線に上手く火が付き、計算したとおりの方向にを飛ばすためにも、筒に設置するときの花火玉は導火線が下に来るようにしておきます。
そうすることで確実に導火線への点火が出来るようになります。

導火線の進む速度は一定です。

導火線の長さを調整することで、花開くタイミングを図ることが出来ます。
花火を同時に花開かせたり、連続で花開かせたりと、この導火線の調整で花開かせるのも花火職人の腕の見せ所なのです。

時間差でたくさんの花火が花開くスターマインなどは、予めたくさんの筒の中に花火玉を詰めて用意しておき連続して打上火薬に点火していきます。

 

花火のいろいろな色が出る仕組みは?

花火のいろいろな色が出る仕組みは?

火は温度や燃える物質によって、色が変わってきます。
花火の場合には、赤、緑、黄などの光を放ちながら燃える化合物を火薬と調合して、色鮮やかな模様を描くようにしたものです。

中間色などは、異なる発色をする化合物を混ぜてつくり、途中で色が変化する花火は、を作る時に発色の異なる化合物で調合した火薬を層に分けていくことで再現していきます。

花火の色を綺麗に魅せてくれる星

実際にはどうやってつくるのかというと、星掛け機という回転する釜に芯となる粟や菜種の実、石膏の粒などの非常に小さい粒を入れて回していきます。
これに水を少しやり玉を湿らせて、調合した火薬をまぶし入れます。
回転しているので星はまんべんなく丸くなっていき均一な層ができるので、色を変えるときもキレイに色を変えることが出来るのです。

乾燥と水やり・火薬まぶしを繰り返し、徐々にを太らせていきます。
いっぺんに大きくしようとすると、芯のほうが乾燥しきれずに添加不良の原因になるので、しっかり乾燥させながら星を大きくしていくことが大切なのです。

なので非常に根気のいる作業ですが、キレイな花火を造るために花火職人の頑張りどころでもあります。

 

花火の色のひみつ

花火の色のひみつ

花火大会での盛大な打ち上げ花火は、夜空に大輪の花を咲かせるような色とりどりの美しい火花の競演で人々を魅了します。

空中でパッと開いて赤や緑、青など目にも鮮やかな色が印象的ですが、美しさの秘密は花火玉の中のと呼ばれる火薬などを混ぜ合わせて玉にして乾燥させたものと割薬という花火玉を空中で割るための火薬にあります。

特に花火の多様な色彩のカギを握るのはの中に秘められており、花火が空中で開いて燃える時に狙い通りの色になるよう必要な物質でつくられています。

花火の色の決め手となる金属を含んだ炎色剤が調合されている火薬、燃焼を助ける過塩素酸ナトリウムなどの酸化剤、粉末状の木炭などで星は構成されています。

炎色剤に含まれている金属の種類の違いこそが花火の色を決定します。

色と光

花火の魅力を一段と高めている、華やかな色彩のカギを握るのは、様々な種類の金属粉で構成されている発色剤にあります。

花火の色を決める発色剤に含まれる金属は、燃やした時にその物質特有の色を出す炎色反応と呼ばれる現象の違いによって選ばれており、

  • ストロンチウムやカルシウムは赤
  • 銅などは青緑
  • ナトリウムなどは黄色

などといった特徴を持ちます。

一般的に物が燃える際の色は、赤やオレンジ、ガスレンジを使っているときの青色などを思い浮かべますが、金属を燃やしてみるとピンク色っぽい紫色の光を発するカリウムや鮮烈な黄色で燃えるナトリウム、味わい深いブルーグリーンの銅など、定番の赤やオレンジと組み合わせると文字通り色とりどりの炎の競演を演じさせることが出来ます。

ただ青は、その色を発しながら燃える化合物があっても花火に用いることが難しく、現状で使われている銅化合物はやや緑がかった青になります。

花開いた後に色が変わるような打ち上げ花火は、異なる発色剤を調合した火薬を層を重ねるようにして作られたが使われています。
が外側から燃えていくことで、色が変化していくのを楽しめる花火になるのです。

 

あざやかな炎

あざやかな炎

花火はこの金属を燃やした時の炎色反応特有の色を利用して、見ごたえのあるカラフルな炎を演出しています。

炎色反応というのは、原子レベルの非常に小さな世界で起こる現象で、原子の周りを回る電子の動きによって変わってくることが明らかにされています。

花火の色は、目に見えないその仕組みが利用されていることになります。

炎色反応のしくみ

ほかの多くの物質と同様に金属も原子の集まりでできており、原子1つにつき中心に1個の原子核を持っています。
その原子核の周りをいくつかの電子が回っていますが、その数は元素によって違ってきます。

原子核の周りの決まったコースを回る電子ですが、過熱されることで熱エネルギーを吸収してコースの外側にある別のコースに移動し、その際に電子は吸収した熱エネルギーの分だけエネルギーが高くなった状態になります。

別のコースに移ったものの、原子から離れたぶん不安定になるため、電子はすぐに元のコースに戻りますが、吸収していたエネルギーをその時に光として放出します。

電子の移動の仕方は元素によって違いがあり、放出されるエネルギーも異なってくることから光の波長も変わり、特有の色として見えることになるのです。

 

まとめ

 

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打ち上げられてから上空で花火を開かせる割薬。
花火に多様な魅力を与える星。

これらが織りなす夜空の芸術は、に含まれている金属の種類とそれらが引き起こす炎色反応の組み合わせの妙によって生み出されるだけに、物理的な現象を人間の英知が美に変えた瞬間を楽しんでいると言えるでしょう。

夜空で大きく広がったのちに徐々に色が変化して行く花火。

花火職人の心意気が詰まった花火が、どんなふうに花開くか楽しんでください!

プライベートメモリアル花火職人|斉藤商店

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